映画鑑賞

市内の美術館で月1回行われる、無料の映画上映会に行ってきました。

演目は『メトロポリス』（1927年、118分、モノクロ、サイレント、独）で、なかなか面白かったです。マリア役のブリギッチ・ヘルムがきれいでしたし、大勢のエキストラを使った大掛かりな演出は見応えがありました。また、振り付けがオペラやミュージカル風に思えたことや、ブリギッチ・ヘルムを始めとする女性たちが今と違って少しふくよかだったことなどに時代や流行の違いを感じました。それと、主演のアルフレート・アーベルは他の男優たちと比べて、それほど美男子でも目立っていたわけでもなかった上、当時の技術できれいに映るために白く厚塗りしている顔がピエロみたいに思えてあまり格好良く思えませんでした。

あと、美術館で配っていたパンフレットには「（前略）やがてアンドロイドは暴走し、地下の革命を誘発する（後略）」とあったのですが、アンドロイドはロトワングに命じられて“フレーダーセンの息子と都市を破滅させるため”に動いていただけで、別にアンドロイド自身が誤作動を起こしたというわけではありませんでした。すべての悪を背負わされてしまったアンドロイドは見ていて残念でしたけど、演じていたブリギット・ヘルムはちょっと楽しかったのではないかとも思って見ていました。

最後に、サイレント映画で所々にセリフだけのカットが入っていたのはかえって新鮮でしたし、オリジナル版と比べて1/4も失われてしまっているという理由から入れられていた文字だけの説明カットは、動画制作に使えるのではないかと思いました。この作品では映像が失われてしまったからですけど、それを制作が難しいカットを補うために使えば、技術が足りなくても色々な動画を作れるかもしれません。