忍者ブログ
外出先で撮った写真をアップしたり、練習として書いた文章などをアップしていきたいと思います。
Posted by - 2024.04.20,Sat
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Posted by かば - 2008.05.08,Thu
0290a9a0.jpg 艦体の後部を改造する工事が始まった。
 もう工事は全部終わったと思っていた出井三曹と井伊海士長はちょっと不満そうだったが、怖い尾井二曹に見張られて口にすることはなかった。というより、口にできるどころではなかった。
「おい、曲線が崩れないように一番太いところだけを4ポッチ延長するんだぞ」
「分かってます」
「じゃあ、このパーツはどこに来るんだ?」
「え?」
 2人は尾井二曹に厳しく指摘されながらパーツを積み上げていく。
6a9822ae.jpg もちろん、尾井二曹も二人に負けないくらいパーツを積み上げて手本を示し、工事は艦体前半との接合間近になった。
「永二尉、後部の上半分の曲線はこれで良かったでしょうか? どうも手元にあるパーツの残りと合わない気がするのですが?」
「う~ん、上半分を接合する前のパーツの並びをきちんと確認しておかなかったからな」
 永二尉は志位三曹に指摘されて考え込んだ。
 作業手順の間違いといえばそのとおりだが、新たに組み直した上半分も下半分とバランスが取れているし、構造もいくらか強化されていた。
「このままで良しとしよう。図面を用意している訳ではなし、見た目で問題なければ良い」
「了解しました。このまま作業を続けます」
 志位三曹の復唱を聞いた井伊海士長が何か言いたそうだったが、尾井二曹ににらまれてすぐに接合作業に取り掛かった。
c8e15d24.jpg 当初の予定より大掛かりになってしまったが、強度などに問題はなく、無事に工事は完了した。
「では、竣工の前に本艦を‘あましお’と命名する!」
「あましお竣工を祝って万歳三唱!」
「バンザーイ! バンザーイ! バンザーイ!」
 潜水艦課員全員が心の底から祝った。
 弾道ミサイル潜水艦‘あましお’竣工の瞬間だった。

拍手[0回]

PR
Posted by かば - 2008.05.07,Wed
da517a25.jpg 潜水艦課は弾道ミサイル潜水艦の舵とスクリュー――‘プロペラ’とも言う――の取り付けに取り掛かった。
「こんな感じで良いですか?」
「そうだな。浮上したときにスクリューの先端が海面上に少し出てしまいそうな気もするが、仕方ないだろう」
「今から艦体の直径を大きくする訳にはいきませんからね」
「パーツの数も限りがある――スクリューの取り付けで全長がさらに4ポッチ延長されている――からな」
 永二尉はいくらか残念そうに志位三曹に答えた。
 でも、取り付けそのものは順調に進んでいたし、7枚ハイスキュード・プロペラも入手できた。一時は情報が遙かに不足しているポンプジェット推進も検討していたのだから、スクリューが出てしまったとしてもデフォルメのせいだと思うべきだった。
「よし、次は舵の取り付けだ!」
「了解! 舵の取り付けに移ります!」
 永二尉の指示で潜水艦課員たちは舵の取り付けに取り掛かった。
 舵も潜舵の取り付け位置や縦舵と横舵を十字舵にするかX舵にするか、それともロシアのキロ級のようにするかなどの選択肢があったが、無難に慣れているセイル取り付けの潜舵と十字舵の組み合わせに落ち着いた。
「潜舵と縦舵、横舵は同じ大きさで良いのか?」
「潜舵の方が一回り小さいぞ」
「潜舵はセイルのどの辺に取り付けるんだ?」
「それより、縦舵の上部はどう取り付けるんだよ!」
5fcfa745.jpg 慣れているはずの方式でも多少の混乱はあったが、無事に取り付けが完了した。
「舵の取り付け完了しました!」
「よし! 艤装工事の完了を祝って万歳三唱だ!」
「バンザーイ! バンザーイ! バンザーイ!」
 すっかり潜水艦の形になって潜水艦課員たちは喜んだ。特に、出井三曹と井伊海士長の2人は後は竣工させて最終的なテストをするだけだと思った。
ec28110e.jpg でも、尾井二曹は厳しい顔で永二尉に進言した。
「艦尾を延長した分、艦体の曲線も直すべきではないですか?」
「そうだな。今のままでも良い出来だとは思うが、‘涙滴型’潜水艦とはちょっと言いにくいからな」
 志位三曹も賛成して、艦体後部の曲線を直す工事が追加されることになった。

拍手[0回]

Posted by かば - 2008.05.03,Sat
0c93c5da.jpg 弾道ミサイル潜水艦の建造は次の段階に移っていた。
「やはり、このセイルの大きさだと潜望鏡などを組み込むには小さいな」
「ミサイル発射筒まで組み込んでますからね」
「シュノーケルはセイル最後部でも可能ですが、代わりにフローティングアンテナを収めるスペースがなくなります」
「通信マストが省略されてるからきついな」
「レーダーマストも危なっかしい感じで気になります」
「上部指揮所もこの狭さでは話になりません」
 艦体から一時的に取り外したセイルを囲んでいた潜水艦課員たちは口々に言ってセイルと艦体の延長を決めた。
 新たに追加されるのは3ポッチ分で、シュノーケルもミサイル発射筒の前方に移されることになった。
8010d9a6.jpg「セイルはこれで完了です」
「うん、これなら十分だろう」
「欲を言えば、一番潜望鏡――攻撃用のシンプルなもの――の前にもう少しスペースを確保したかったですね」
「それを言えばセイル前部にハッチを設置するスペースだってほしくなるぞ?」
「デフォルメしすぎなんですよ」
「それを言うな。大型になりすぎれば5人じゃとても動かせないぞ」
「そうですね」
「それより、ハッチの取り付け工事ではセイル前部のパーツを付け忘れて形が変わってしまったから、今度は間違えないように気を付けてくれよ」
「分かってます。今度は自分と志位の2人で監督してますから任せてください」
 尾井二曹は永二尉に答えて作業に戻った。
 艦体最前部の形が変わってしまわないように追加するのは思ったより面倒だったが工事は着実に進んでいく。
 そして、艦体が3ポッチ分長くなり、尾井二曹が艦体のすぐ近くで作業していた出井三曹と井伊海士長に呼び掛けた。
「おい、そろそろセイルと接合するからお前たち離れろ」
「了解。セイルから離れます」
b18cbea2.jpg セイルが延長された艦体の上に運ばれ、潰れたりしないように慎重に接合される。
 尾井二曹と志位三曹が念入りに点検し、無事に工事が完了した。
「工事完了!」
「よし! 潜望鏡などの取り付けとセイル・艦体の延長を祝って万歳三唱!」
「バンザーイ! バンザーイ! バンザーイ!」
 潜水艦課は永二尉の音頭で工事完了を祝い、次のスクリューと舵の取り付けの段階に進んだ。

634333bb.jpgセイル付近のクローズアップ
 一番左の細いものが一番潜望鏡
 左から2本目の1x2ポッチのタイルを乗せたものが(水上)レーダーマスト
 左から3本目のハンマーが付いているものが二番潜望鏡(暗視装置など、様々な装置が付いた高機能なもの)
 一番右の1x2ポッチのブロックに1x1ポッチの円柱が付いたものがシュノーケル






※写真ではラグナロクIAが搭載されている様子を示すためにラグナロクIAの長さを2段延長しています。実際には搭載したままハッチを閉められます。

拍手[0回]

Posted by かば - 2008.05.02,Fri
81cfb498.jpg 尾井二曹が艦内から出てきた。
「艦内点検完了! 異常なし!」
「よし、ハッチ設置とラグナロクIA搭載を祝って万歳三唱!」
「バンザーイ! バンザーイ! バンザーイ!」
 潜水艦課5人全員で祝った。まだ竣工には何段階も残っていたが、この日は初めてミサイルと潜水艦が一つになったのだ。
「今回は艦内全体をくりぬきましたから大変でしたね」
「ああ、強度が少し心配だが、軽量化につながった上、将来的にモーターやエンジン、発令所を組み込むことも可能になるだろう」
「そのためにはまず外見を完全に完成させないといけませんね」
「そうだな」
 永二尉は傍らの志位三曹に答えた。いつの間にか、次席指揮官として別行動を取ることが多い尾井二曹と永二尉の副官として行動を共にすることが多い志位三曹に役割分担ができていた。
「特に、次の潜望鏡などの搭載工事では艦体とセイルの延長も必要だろうからな」
「そうですね。どう見てもこのセイルでは潜望鏡2本にレーダーマスト――通信マストから変更――、シュノーケル、上部指揮所を設置できませんからね」
「できることならセイル前部にもハッチを設置したかったが、その分まで延長するのは難しいだろう」
「はい」
 志位三曹は永二尉に続いてセイル前部を見下ろした。潜水艦はまだまだ再現できていないところが多かったが、それでも5人の手で着実に形になりつつあった。

※写真ではラグナロクIAが搭載されている様子を示すためにラグナロクIAの長さを2段延長しています。実際には搭載したままハッチを閉められます。

拍手[0回]

Posted by かば - 2008.04.30,Wed
359f6fae.jpg潜水艦課がラグナロクIを改良したラグナロクIAの発射実験に成功しました。同課の発表によると、海中に設置された発射筒から発射されたラグナロクIA試験機は予定どおりの飛翔経路をたどり、標的に命中したとのことです。

発射実験を直接指揮した尾井二曹は「実験は何の問題もなく完了した。これで我々は有効な抑止力を手に入れたことになり、大変喜ばしい」と語っていて、村内での同課の地位向上にも役立つとの認識を示しました。

なお、ラグナロクIAはラグナロクIの第一段エンジン4基をより強力なエンジン1基に変更したもので、ラグナロクIでは胴体直径よりわずかにふくらんでいたノズルがなくなり、整備性、生産性、信頼性が向上しています。

拍手[0回]

カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
最新コメント
[01/03 click here to preview]
[09/29 Raymondled]
[09/25 Raymondled]
[12/12 レゴワード・レゴリック]
[12/12 かば]
プロフィール
HN:
かば
年齢:
45
性別:
男性
誕生日:
1978/12/25
職業:
患者団体役員
趣味:
考え事
自己紹介:
軽度な短腸症候群の患者で、「短腸症候群の会」という小規模な一般社団法人の代表理事をしています。
mixi ID:24077499
twitter:@kaba2308
dNoVeLs:かば
バーコード
ブログ内検索
カウンター
フリーエリア
忍者アナライズ
Template by mavericyard*
Powered by "Samurai Factory"
忍者ブログ [PR]