ようやく修正分がまとまりました。23日の更新に間に合わない可能性が高くなってきていますが、最後まであきらめないで修正を続けたいです。
(6月13日分から続く)
『研究員たちに気付かれないように目くらましはしてるけど、徹底的にチェックされるとばれる可能性も高くなるからね』
パックは楽しんでいるとしか思えない態度で注意して、私はそれ以上の怒りを飲み込んだ。とてもビデオとは思えない反応の良さで、本当はテレビ電話みたいにつながってるんじゃないかと思えてならなかった。
「……だったら早く教えてよ。どうすればチョコを助けられるか知ってるんでしょ?」
『焦らない焦らない。僕やチョコ、新型ウイルスのことなら心配いらないよ。この騒ぎは全部電子空間を独立させるための騒ぎなんだから』
「え?」
『本当は格好良く「独立戦争」って言いたいところだけど、一方的すぎて戦争’っていう感じじゃないだろうけどね』
「……じゃあ、外に出られないのはパックのせいなの?」
『それは違うさ。僕たちは大学のシステムの一部を僕たちの空間として占拠しただけで、望が外に出られなくなったのは研究所の判断だよ』
「だったら早く教えて。チョコが本当に安全か確かめさせてよ」
『僕を信用してくれないのかい?』
「私はこの目で確かめたいの」
『信用ないなあ』
パックは大げさなくらいに肩をすくめた。パックは私に人としても信じてほしいんだろうけど、私は直接自分の目で見なければ信じられなかった。
「できない訳じゃないんでしょ?」
『もちろんできるさ。でも、今は無理だよ』
「どうして?」
『百パーセントばれるからね』
「そんなのごまかせばいいじゃない」
『無理だよ。研究所のロボットをジャックするのは簡単だけど、人間の肉眼まではごまかせないからね』
「もう! パックは『世界最強』なんでしょ!」
期待していた私は我慢できなくなってパックをなじった。「世界最強」なんて口先だけだと思った。
「もういい! 自分でなんとかする!」
『望、落ち着いて。
今無理にやろうとすればセーフモードにされるよ』
「え?」
私は切ろうとしたビデオに視線を戻した。
『研究所のロボットをジャックすれば、研究員たちはサイバー攻撃が研究所内にまで侵入したと思うよ。そうなれば、望が嫌がってもセーフモードにするのをためらわないだろうね』
(後に続く)
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