外出先で撮った写真をアップしたり、練習として書いた文章などをアップしていきたいと思います。
Posted by かば - 2008.06.01,Sun
クライマックスなので修正も勢いに乗って順調です。後は調子に乗りすぎて踏み外したりしないようにだけ気を付けていきたいです。
(5月30日分から続く)
「チョコ?」
机の上で丸くなっているチョコに触ってみて初めて、私はチョコが硬直していることに気付いた。
「ちょっと、悪ふざけは止めてよ」
何度揺すぶっても無反応で、私は振り向くなり叫んだ。
「パック!! 止めてって言ってるでしょ!!」
『お嬢様、どうかなさいましたか?』
「チョコが動かないの! パックがまた『騒がれたりしたら嫌だから』ってやったに決まってるわ!」
私はパックのことをほとんど斉藤さんに説明してないことを忘れてまくし立てた。
「今すぐ元に戻して! それに、来るときはメールするって約束したでしょ!」
『お嬢様、どなたとお話になっているのですか? そちらには誰もいません』
「斉藤さんには見えないのよ! パックのやりそうな手ね。いるのは分かってるんだから出てきて!」
私はパックのいそうな場所をにらみながら叫んだ。
でも、いくらにらみつけてもパックの声も聞こえなければ白いサマージャケットも見えなかった。
『……お嬢様、外部との接続が切れておりますので研究所外の方とお話しするのは無理かと思います』
「パックならそれくらい平気なの!」
『ですが、仮想環境部も含めたシステム全体が研究所のネットワークからも物理的に切り離されているようです。また、研究所内外や内部の移動も禁止されております』
「だったら、チョコはなんで動けないのよ!」
冷静に答えられて私はパソコン画面の斉藤さんに八つ当たりした。ただでさえ不安で仕方ないのに、さらに不安の種に増えてもらいたくなかった。
「チョコは大切な家族なのよ!」
『お嬢様、落ち着いてください。私も詳しい理由は分かりませんが、チョコが動かないのも外部との接続が切れたためかと思います』
「え!?」
私は斉藤さんの言葉にチョコの本体――人間なら意識のようなもの――が研究所の外にあるということを思い出した。
「だったらすぐに助けなきゃ!」
チョコがどこかでセキュリティーに追われているかもしれないと思った私はすぐに外に出ようとした。
「斉藤さんも出られる方法を考えてよ!」
パックやチョコにも無理なのに私が出られるはずもなかったから、私は何度もコマンドを唱えながら斉藤さんに頼んだ。もう二度と家族を失いたくなかった。
「お願い! 二度と帰って来れなくても良いから!」
『お嬢様、落ち着いてください。保安レベルレッドが解除されるまで無理でございます』
(後に続く)
(5月30日分から続く)
「チョコ?」
机の上で丸くなっているチョコに触ってみて初めて、私はチョコが硬直していることに気付いた。
「ちょっと、悪ふざけは止めてよ」
何度揺すぶっても無反応で、私は振り向くなり叫んだ。
「パック!! 止めてって言ってるでしょ!!」
『お嬢様、どうかなさいましたか?』
「チョコが動かないの! パックがまた『騒がれたりしたら嫌だから』ってやったに決まってるわ!」
私はパックのことをほとんど斉藤さんに説明してないことを忘れてまくし立てた。
「今すぐ元に戻して! それに、来るときはメールするって約束したでしょ!」
『お嬢様、どなたとお話になっているのですか? そちらには誰もいません』
「斉藤さんには見えないのよ! パックのやりそうな手ね。いるのは分かってるんだから出てきて!」
私はパックのいそうな場所をにらみながら叫んだ。
でも、いくらにらみつけてもパックの声も聞こえなければ白いサマージャケットも見えなかった。
『……お嬢様、外部との接続が切れておりますので研究所外の方とお話しするのは無理かと思います』
「パックならそれくらい平気なの!」
『ですが、仮想環境部も含めたシステム全体が研究所のネットワークからも物理的に切り離されているようです。また、研究所内外や内部の移動も禁止されております』
「だったら、チョコはなんで動けないのよ!」
冷静に答えられて私はパソコン画面の斉藤さんに八つ当たりした。ただでさえ不安で仕方ないのに、さらに不安の種に増えてもらいたくなかった。
「チョコは大切な家族なのよ!」
『お嬢様、落ち着いてください。私も詳しい理由は分かりませんが、チョコが動かないのも外部との接続が切れたためかと思います』
「え!?」
私は斉藤さんの言葉にチョコの本体――人間なら意識のようなもの――が研究所の外にあるということを思い出した。
「だったらすぐに助けなきゃ!」
チョコがどこかでセキュリティーに追われているかもしれないと思った私はすぐに外に出ようとした。
「斉藤さんも出られる方法を考えてよ!」
パックやチョコにも無理なのに私が出られるはずもなかったから、私は何度もコマンドを唱えながら斉藤さんに頼んだ。もう二度と家族を失いたくなかった。
「お願い! 二度と帰って来れなくても良いから!」
『お嬢様、落ち着いてください。保安レベルレッドが解除されるまで無理でございます』
(後に続く)
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1978/12/25
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考え事
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軽度な短腸症候群の患者で、「短腸症候群の会」という小規模な一般社団法人の代表理事をしています。
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