『電子のイブ（第二版）』８、９ の一部

　多少もたつきがありましたが、なんとか8の修正を終えました。
　9も着実に修正を進めたいです。

(2月10日分から続く)
　私は斉藤さんに断言されてしまってさらに悩んだ。斉藤さんにもここがバーチャルだとはっきり分かって落ち着かない気持ちになると思っていたのにちょっと裏切られた気分だった。
　一体、現実とバーチャルの違いって何なのだろう。
　パックが言っていたみたいに私もここを新しい世界と受け入れられるようになるのだろうかと思ったら急に不安になった。このまま治療を受けて現実に戻るのだという気持ちが揺らいでしまう気がした。
『お嬢様？』
「……悪いけど話は後にして」
『かしこまりました。あと五分少々で研究室の昼休みが終わります』
　斉藤さんは静かに頭を下げてケイタイ画面からいなくなった。
「……悪いけど、チョコもまた待っててね」
　私はチョコの暖かさを確かめるように何度もなでてから研究室に戻った。

９、

　斉藤さんの言葉に不安になった私が研究室に戻ると井上さんも丁度戻ってきたところだった。
『あら、お昼はもう少しあるわよ？』
「美穂姉、バーチャルが現実になるなんてことないよね？」
(後に続く)