『電子のイブ（第二版）』８ の一部

　公開が今月から始まるということでなんとか時間を確保して修正を進めたのですが、ちょっと今一つした。
　もう一度見直してから修正を進める予定です。

（2月4日分から続く）
　私が肩に手を伸ばしながら尋ねると、ずっと待っていたチョコはうれしそうに手によじ登った。
「何か食べられるものがあれば良いのにね」
　私は手に移ったチョコに顔を近付けてのぞき込みながらつぶやいた。
　もちろん、私もアメしかなかったけど、チョコはもっと何もなかった。昨日寝るときになって初めてチョコには寝るところもないことに気付いたくらいだった。
「せめてチョコもアメで遊んでちょうだい」
　私はチョコを机の上に降ろして缶から取り出したアメを一粒渡した。チョコの口にはちょっと入らない大きさだったからチョコは両手で抱えるようにして調べている。割ったりできるものなら割ってあげたかった。
「……今度パックに会ったら絶対言っとかなきゃ」
　私は自分の分のアメを口に入れながら改めて強く思った。チョコの実体を見付けて安心するためだけじゃなくて、チョコが少しでも快適な暮らしをできるように私は何でもするつもりだった。
　そして、イスに座って落ち着いたところで私は井上さんに送ってもらったコミュニケーションソフトを呼び出した。
「お昼の間に設定できるかな？」
（後に続く）