『電子のイブ（第二版）』７ の一部

　一昨日修正した部分です。
　昨日は時間がなくてできなかったので、今日はしっかり進めたいと思っています。

（1月18日分に続く）
「ちょっと待っててね」
　私はすぐに新型ウイルスを机の上に降ろしてパックにもらったソフトを探した。井上さんたちを裏切ることになるという気持ちがまったくない訳ではなかったけど、それ以上に新型ウイルスの実体を見付けて安心したかった。
　そのため、私は現実に戻ってからのために使わないようにしていた検索コマンドまで使ってソフトを見付けて実行させる。
　煙のようになったメモリーカードが私の掌の上でまとまって本来のソフトの形を現し始めた。
「……え、指輪!?」
　思ってもなかったことにソフトは指輪の形になった。しかも、いかにも歴史があって魔法の掛かっていそうな緻密で美しい装飾が施された指輪だった。
「ちょっと、なんで指輪なの……？」
　完全に不意を突かれた私は動揺した。パックの真意が分からなかったし、こんな豪華な指輪ではまるで婚約指輪みたいだと思った。
　でも、ケイタイを当てて取扱説明書を確かめると、確かにこの指輪が外に出るために必要なソフトだった。指にはめればその時点から効果が発揮されて、呪文のようなコマンドを言えば外に出られるらしかった。
「ど、どうしよう……？」
　首から提げたら効果はないのだろうだろうかと焦った私はサイズが関係ないと知って安心した。
（後に続く）