未来史シリーズ 用語メモ「雲の海市」

『クラウディアの横顔』の舞台である23世紀前半の社会形態は、地球と異なり、固定的な組織がほとんどありません。これは少人数で何でもこなさなければならなかった宇宙開発初期の名残で、人々は業務ごとに関心や技能を持つ人が集まって、流動的なグループを作って対処することが基本になっています。

このため、行政と市民という区別はほとんどなく、公共の活動をしている間は誰でも公務員、私的な活動をしている間は誰でも市民になります。また、議員と市民という区別もなく、公共の問題について誰でも議案を提出したり、意見を述べたり、採決に参加できます。

ただ、市長のような対外的な「顔」が決まっていないと、対外的な交渉が難しかったりするので、対外的な交渉の際の代表、儀礼的な代表としての市長が直接選挙で公選されます。